医師が利用できる私的年金

医師もいつか引退をする日がきます。

そして、引退をすると一般職業の方と同様に公的年金が受け取れますが、年金のみでの生活が難しいのは同じです。
特に個人事業主である開業医は、現役時代の収入は大きいですが、引退後の年金は極めて少なくなります。

前回に引き続き、医師が利用できる私的年金についてご説明いたします。

■医師が加入できる私的年金

公的年金以外に本人の自助努力で用意する年金を「私的年金」といいます。
主に以下の2種類の私的年金を利用できます。

①保険医年金
②個人年金保険

また、前回ご紹介した医師年金(日本医師会年金)も私的年金の1つです。

①保険医年金

保険医年金とは、全国保険医団体連合会(保団連)が運用している年金の積立制度になります。

加入資格として、各地域の保険医協会、保険医会への入会が必要で、満74歳まで加入することができます。

加入申込期間中に、保険医協会に申し込みをした後、
引き受けをしている保険会社の担当と面談し、加入する。といった流れになります。

【積立額】

毎月1万円からの積立額となり、通算で最大30口まで加入することができます。

一時払いの場合は、1口50万円(新規は40口まで、既に加入の場合は加入日毎に20口まで)となります。

【受給方法】

受給時に一括受け取り、10年・15年確定年金、逓増型15年、20年確定年金から、受給方法を選ぶことになります。

個人年金保険のような特徴がありますが、個人年金保険料控除は適用にならず、
生命保険料控除が適用になります。

②個人年金保険

個人年金保険は各保険会社が運用している保険商品になります。
リスクはありますが、大きく資産を増やすことができる外貨建てタイプもあります。

特に属している企業や団体に関係なく、個人で希望する保険会社を選んで加入をすることが可能で、保険会社に連絡をして、営業担当と面談の上加入をします。

【積立額】

毎月払い、一時払いなど金額も含め柔軟に対応が可能です。

【受給方法】

一括受け取り、5年・10年・15年確定年金、終身年金など、保険会社によってさまざまなバリエーションがあります。

毎月支払う保険料は、個人年金保険料控除の対象となります。
※保険料払込期間が10年以上であること。年金の支払開始が60歳以上かつ、支払期間が10年以上あること・など一定要件を満たす必要があります。

■医師が損をしないために

医師は年金制度含めても、特殊な職業のひとつです。
一般的な職業からみても高収入であるがゆえに、将来に不安を残さないため、
できれば早いうちから節税の手法を身につけたり、少額からでも資産形成を計画的立てておくことをお勧めします。

具体的な行動を起こすには、節税・資産運用の手段の情報収集が重要になります。

医師が引退した後は公的年金を受け取ることになりますが、私的年金を用意しない限りは、一般の職業の人と大きな差はありません。

特に個人事業主の開業医は、公的年金はあまり期待できないでしょう。

医師年金や保険医年金のメリットとデメリットを理解して、早い段階からスタートをすればリスクをおさえて、大きな資産を作ることが可能です。

医師年金のシュミレーションは、日本医師会のサイトからも行えますので是非ご活用ください。

■ご勇退前に早めの準備・情報収集をおすすめします

いかがでしたでしょうか。公的年金だけでは、引退後の収入源がかなり心元ない額となります。

事前にしっかりと準備することが必要です。

また、弊社でご支援しているクリニック継承では、譲渡額の評価によりまとまった金額を得られる可能性があったり、自己所有物件であれば、譲渡先の先生から、家賃の形で継続した収入を得られます。

弊社と協業している日本医業総研では、相続や医院承継も含めたライフプランサポートが可能です。是非一度お気軽にご相談ください。