ご自身のクリニックの価値、ご存知ですか?

 

昨今、少子高齢化が進み「後継者問題」は社会問題にまで発展しています。特に「家業」としてビジネスを営んできた中小企業などは、後継者不在のために廃業を余儀なくされるケースが多く、医療業界も例外ではありません。近年は個人で経営されているクリニックの閉院が後を絶たず、場所によっては地域医療の維持が難しくなってしまうといった深刻な問題となっています。医療機関が複数ある地域であっても、患者様にとって「かかりつけ医」を失うことは生活の上で重大な問題です。そういった意味でも、第三者へのクリニック継承は、地域医療存続のための希望の光として注目を集めています。今回は、「ご自身のクリニックの価値、ご存知ですか?」と題しまして、弊社が提供している無料診断サービス『継承診断』をもとに、クリニック継承においての譲渡額の目安について解説してまいります。

◆適切な譲渡額(価値)を把握するために

クリニック継承において、譲渡側(売り手)の先生が行うべき準備や用意しておく資料は多岐にわたります。例えば、財務諸表などは顧問税理士に任せっ切りにしているという先生の少なくないのではないでしょうか。財務諸表などの資料は、クリニックの経営状態を把握する為の一次情報となるので、クリニック継承を進めるうえでは必要不可欠なものなのです。この財務諸表は、患者様の診察に置き換えてみれば、身体状態や既往歴などのデータにあたり、例えプロのコンサルタントであったとしても、こうした情報抜きで「譲渡額をいくらに設定すべきか?」「継承先が見つかるかどうか?」などを判断することは困難ですし、適切な譲渡額の設定を行わずに募集を始めると、後継者を見つけられる可能性は非常に低いと考えられます。

◆継承コンサルタントはどのように譲渡額を決めるの?

弊社のような仲介会社にご相談いただくと、まずは先生のご事情やクリニックの状況、どのようなご希望をお持ちなのかをお伺いすると同時に、以下のポイントを確認させていただき、譲渡額の目安などを算出させていただきます。

≪主な確認ポイント≫*リース残積などの帳簿外の債務がどの程度あるか*過去3カ年での財務の動きで不透明な点は無いか*過去3カ年で売上や利益がどのように推移しているか*戸建ての場合、土地・建物についての確認*テナント契約の場合、第三者への譲渡を制限する事項等がないか etc…これらはほんの一部ですが、第三者継承を進める上でトラブルになり得るリスクが潜んでいないかなど、円滑に継承を進めるための事前準備として、様々な観点からチェックを行ってまいります。また、多くの先生から「営業権をいくらに設定すべきか?」というご相談をいただきますが、弊社の場合は、決算情報をもとに、1年間で実質的な利益がどの程度出ているのかということを基準に算出してまいります。この実質利益は、純利益とは異なるM&A特有の概念で、先生ご自身が取得している役員報酬分や節税目的の支出などを含めた利益額のことを指しています。ですので、単に確定申告書や決算書の額面を見ただけでは、実質利益は分からないことがほとんどです。このようなことからも、実質利益の計算などは、クリニックを専門としている税理士などの専門家に相談することをお薦め致します。

◆クリニックの継承診断を無料で承っております

弊社では、具体的なご相談・継承の支援に進む前段階として、「閉院すべきか?継承を模索すべきか?」「譲渡額の目安はどれくらいなのか?」など、現在の貴院の価値をプロのコンサルタントの視点から判断する無料の『継承診断サービス』を実施しています。まだ引退については具体的に考えていないという先生も、将来の備えとしてお気軽にご活用ください。