閉院する場合、テナントの原状回復費用はどのくらいかかる?

閉院時に発生する費用の中でも、テナントの原状回復にかかる費用は多くの割合を占めており、多額の出費となる可能性があります。
今回は、テナントの原状回復費用やどういった工事を行うのか、またその費用を抑える方法などについて解説していきます。

 

クリニックにおける原状回復工事とは?

一般的にイメージされやすいのは、住居として使用していた賃貸物件から退去する場合に、既に契約内容に盛り込まれているといったケースでしょう。
重大な過失により部屋の一部が大きく損傷した等の極端な場合を除けば、多くの場合入居時に預けた敷金(保証金)から賄われるため、あまり意識したことがないという方も多いかもしれません。

一方、事業用としてテナントを借りる場合は「契約当初の仕様に戻す」と定められていることが多く、住居として借りる場合とは大きく異なってきます。
当然、クリニックの場合も事業目的での賃貸契約になるので「事業用として造り込んだ範囲全てを契約当初の仕様に戻す」必要があります。
これは、スケルトン状態で借りた場合も、居ぬきで借りた場合も変わりません。

以下に、原状回復工事に必要な主な工事項目・原状回復にかかる費用や相場について解説します。

 

原状回復工事に必要な工事項目

①撤去・解体工事
まず、内装・造作物の解体工事を行い、クリニック内の装飾や設備などの造作物を撤去します。

②修繕工事
解体工事が終わったら床や壁、天井などの残した部分、またはスケルトンになった部分の修繕が必要となった箇所を綺麗な状態にします。
構造体の修繕が必要な場合は、借主負担でそちらも行います。

③設備工事
ビル付帯設備の基本は「電気」「ガス」「水道」です。
解体後の二次側電気に漏電などの不具合はないか、特にクリニックに多い、新設・移設された給排水・給湯設備等が正しく原状回復されているかは、ビルオーナーや次に入居するテナントにとっても重要なチェック事項であり、ビル新築時の設計図書の仕様に完全に戻すことが原則となります。

原状回復費用の相場と、費用を抑えるコツとは

原状回復にかかる費用は、スケルトン戻しの場合:約5~10万円/坪、事務所仕様戻しの場合:約10~15万円/坪が平均的で、ここ数年施工単価は上昇傾向にあります。
オーナー様が業者指定をしている場合もありますので、事前に確認が必要です。

以下では、原状回復工事の費用を抑えるコツについて解説します。

【複数業者から相見積もりを取る】
オーナーに掛け合うことで、複数の業者へ相見積もりをとることが可能な場合があります。
指定業者の場合競争原理が働かない為、相場より高い工事費になっていることもあり、業者間で価格を競ってもらうことで、より安いところに発注できる可能性があります。
ただし、費用が安すぎると工事の質が落ちる可能性もあるため、相場費用から著しく離れた見積もりには注意してください。

【工事スケジュールを余裕を持って計画】
工事の見積もりは、引き渡しの1ヶ月前ではなく、できれば半年前から始めることが望ましいです。
スケジュールに余裕を持たせることで、価格交渉や必要な人材の確保がスムーズに進み、結果として費用を抑えることができます。
賃貸借契約は退去予定の6か月以上前に予告が必要な場合が殆どですので、こちらも合わせて進めておきましょう。

【定期的なメンテナンスと設備の保護】
定期的なメンテナンスを行い、壁や床などを保護することで、建物や設備の状態を良好に保ちます。
これにより、原状回復時の工事範囲が小さくなり、コスト削減に繋がります。
また、メンテナンスを怠ると、結果的に高額な修繕費が発生する可能性があります。

こうしたコツを実践することで、オフィスの原状回復費用を抑えられます。
ただし、契約条件を守ることが大前提であるため、賃貸借契約書の内容を必ず確認してください。

◆ご勇退・継承の準備は専門家へのご相談を◆

閉院には、今回ご紹介したような賃貸物件における原状回復費用などの不動産関連だけでなく、他にも様々な手間や費用が掛かってきます。

また、第三者継承によって医院を引き継ぐ場合にはクリニックが継続することになるため、原状回復工事を行う必要性がなくなり閉院費用を大きく削減することが可能です。
合わせて検討してみてはいかがでしょうか?

継承に関するご相談は無料で承っているほか、第三者継承や引退準備をテーマとしたセミナーも開催しておりますので、是非ご活用ください。