クリニックの第三者継承って単なるお相手選び?ではない

クリニックの第三者継承というキーワードを聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか?

譲渡する側(=売り手)は、自分の希望にあった条件(価格や時期、診療科など)で買ってくれそうな先生を選ぶ
承継する側(=買い手)は、低リスクで自分の開業イメージに近しい案件を選ぶ

・・・という単なるお相手選びなんじゃないの?
と、イメージされる先生も少なからずいらっしゃると思います。

今では、第三者継承という言葉も浸透しつつありますが、実は前述のような形で成立することはほとんどありません。
それぞれ人生をかけた決断になるわけですから、売り手と買い手、それぞれの希望がピタリと合致するケースは稀です。

上手く成立させるためには 、お互いの希望を知り、良い妥協点を探っていく必要があるのですが、
その視点が無いまま、ご自身の希望や理想を受け止めてくれる先生だけを探しても、
「いい先生がいない…」となってしまい、
後継者が見つからないまま、閉院を決めてしまうというパターンに陥ります。

第三者継承では、お互い全ての希望、条件が合致することはないことを前提に、それぞれの条件の調整や交渉が重要である、と言えます。

■まずは自分の希望を知るところから

ゆえに、
①自分の希望を整理する
②相手の希望を知る
この2点をそれぞれ把握することが大事になります。

①自分の希望を整理する」ですが、漠然とした考えはあっても、
整理するとなると簡単なようで難しい…と思われるのではないでしょうか?

何が優先順位が高いのか?譲れない希望はなにか?…時間が経てばご自身の考えが変化していく部分もあるでしょうから、なかなか整理すると言っても難しいかもしれません。

これらの希望条件や思いを一つ一つヒアリングして汲み取り、第三者視点で整理していくのが、
医院継承を仲介するコンサルタントの一番最初の仕事である。と私たちは考えています。

■先生ご自身の希望を整理する為のコツ

先生からご相談を受ける際には、以下の3点に絞ってお話を伺います。

①引き継いでほしいものはなにか?

クリニック継承なんだから医院じゃないの?と思れるかもしれませんが、様々なパターンが考えられます。

例えば、
「少し移転をしてもいいが、必ず患者さんを引き継いでほしい」
「一緒やってきてくれたスタッフだけは続けて働けるようにしてほしい」
「科目は変わってもいい、医院の名前だけは引き継いで残してほしい」
「これまでやってきた診療のやり方を受け継いでほしい」

など、先生によって重視される内容は変わってきます。

②条件では何が大切か?

「とにかく高く買ってくれる先生に譲りたい」
「この時期までには譲りたい」
「不動産(土地/建物)も一緒に購入してくれる先生に譲りたい」

など、こちらも先生によって優先順位の高い条件は大きく異なります。

③サードキャリアはどうするか?

「引き継いだあとも非常勤でしばらく努めたい」
「へき地医療など、別の場所での開業にチャレンジしたい」
「趣味を兼ねた、まったく違う仕事をしたい」

ご自身がご承継したあとに何をしたいのか?を整理することで、①引き継いで欲しいのもの、②優先したい条件が、定まってくる場合もあります。

■まずは先生のお気持ちやご意向を伺わせてください

いかがでしたでしょうか?漠然としているご勇退にあたってのイメージも、今回ご紹介したような軸に従って考えていくと、ご自身の希望がより明確に整理されていくと思います。
第三者への継承は開業と同じくらい大きな決断になります。先生のご希望がかなえられるよう、しっかりとご支援させていただけますので、一度ご相談いただけますと幸いです。