〔概要編〕クリニックが継承完了するまでの流れとは

 

親族にクリニックを継いでくれる後継者がおらず、ご勇退を考えられる際、「閉院ではなく、まずは第三者継承を考えたい」という院長先生が増えてきていますが、
一般企業のM&Aと異なる部分や、医業特有の制度や法律も多く、クリニック継承専門の仲介業者も限定されます。

今回はクリニックの継承を実際に進める場合の全体の流れと、その全体工程を踏まえた上で、いつ頃から準備しはじめればよいのか?についてご紹介いたします。

■クリニックを譲渡する側からみた第三者継承の流れ

クリニック継承は売る側・買う側それぞれのマッチングによって成り立ちます。
クリニックの売り手となる院長先生からみた場合、おおよそ以下の流れにそって進めていきます。

[1]お問合せ・個別相談
[2]必要書類のお預かり/概要書作成
[3]募集開始/候補者のご紹介
[4]候補者とのご面会
[5]条件調整/ご契約
[6]告知/引継ぎ
[7]譲渡完了

工程としては7つの工程に大きく分けられますが、工程によっては、譲渡額の算出の為、様々な資料をご用意いただいたり、売る側・買う側の運営形態(個人立か医療法人か、勤務医か医療法人か等)によって実際に行う内容は変わってきます。

次回の配信より、[1]~[7]の各工程ごとに詳しくご紹介いたします。

■実際に相談するタイミングはいつ頃がよい?

継承をご検討される先生から寄せられる質問として、「相手がみつかって譲渡するまで大体どのくらいかかるのか?」「引退を考えている時期の何年前くらいから準備すべきか?」といったタイミングに関するご質問をいただくことがあります。

クリニックの診療科目や立地、譲渡価格をはじめとする各種条件によって千差万別であるため、一概には言えませんが、
募集開始後、後継者候補が見つかるのが最短で3か月、エリアによっては2~3年かかるケースもあります。
また、具体的な候補者が現れてから引継ぎ・譲渡完了まで、さらに半年~1年程度時間をかけるのが一般的です。

このことを踏まえると、遅くともご勇退を考えているタイミングの2~3年前には具体的に後継者探しをスタートさせる、
その更に1年前くらいから、インターネットやセミナーなどを活用して情報収集に動き出すのがよいと言えます。

また、最近では、いわゆるアーリーリタイヤを選択される先生も増えています。
変化の激しい時代ですから、第三者継承を選択肢の一つとして持てるよう、 50代前半など、1院長としては比較的若いうちから、積極的にセミナーに参加されて学ばれる院長先生もいらっしゃいます。

■万が一に備え第三者継承の選択肢をもっておく

近年の医療機能分化が進むなかで、ご子息が医師であっても、専門領域の違いや、病院勤務医の立場での最先端の医療を志向するなど、価値観の多様化により親子間継承がうまく進まないケースが徐々に増加しています。

弊社では、継承やご勇退に関するご相談を無料で承っているほか、「仮に継承した場合に譲渡額はいくらになるのか?」「譲渡するとしたらタイミングはいつが適切か?」といったクリニック継承の無料診断も随時承っております。

是非ご活用いただければ幸いです。