クリニック継承の流れ②必要書類のお預かり/概要書作成
クリニック継承は売る側・買う側それぞれのマッチングによって成り立ちます。
譲る側の院長先生からみた場合、おおよそ以下の流れに沿って後継者探しを進めていきます。
[1]お問合せ・個別相談
[2]必要書類のお預かり/概要書作成
[3]募集開始/候補者のご紹介
[4]候補者とのご面会
[5]条件調整/ご契約
[6]告知/引継ぎ
[7]譲渡完了
今回は、[2]必要書類のお預かり/概要書作成について詳しく見ていきましょう。
■クリニックの状態を把握、概要書を作成する為の必要書類のお預かり
弊社コンサルタントが先生のご意向をヒアリングさせていただいた後、弊社とアドバイザリー契約・機密保持契約(NDA)を締結させていただきまずが、
後継者募集開始の準備として、クリニックの状態を把握し、譲渡額をはじめとする諸条件を決めていくための各種書類のご用意をお願いしております。
【個人事業の場合】
・確定申告書の写し(直近3年分)
・財産目録及び固定資産台帳
・リース契約書(リース残債がある場合)
・賃貸借契約書の写し(テナントの場合)
・土地建物登記簿謄本(土地建物を所有されており不動産を売却する場合)
・開設許可証の写し
・・・など
【医療法人の場合】
・法人決算書の写し(直近3期分)
・財産目録及び固定資産台帳
・リース契約書(リース残債がある場合)
・賃貸借契約書(テナントの場合)
・土地建物登記簿謄本(土地建物所有の場合)
・固定資産税評価証明書(土地建物所有の場合)
・社員役員名簿(ここでいう社員は従業員ではなく医療法人の社員を指します)
・・・など
資料によっては、顧問会計事務所や社会保険労務士事務所が管理しているケースもあるため、院長からの依頼を受け、直接会計事務所や社会保険労務士事務所とやり取りをし、
必要資料の整理をお手伝いさせていただくケースもございます。
■クリニック継承の成否に大きくかかわる「概要書」とは?
ご用意いただいた各種資料によるクリニックの評価は、「概要書」という書式にまとめることになります。この概要書とは、継承先候補となる先生へのプレゼンテーションツールであり、同時に先生にとっては継承判断の指標となるものです。それだけに、概要書の作り込みが成約の可否を左右するともいえます。
【概要書に含まれる情報】
・クリニック基本情報(医院名・所在地・院長・標榜科目等)
・譲渡条件
・物件情報
・組織・従業員・許認可
・財務諸表(貸借対照表(BS)・損益計算書(PL))
・診療圏調査(人口分布・競合)
…等
当然、すべて機密情報となりますので、買い手候補の先生ともNDAを締結の上、弊社が信頼できると判断した先生にのみ開示させていただくことになります。
また弊社としても、そのデータ管理には細心の注意を払い、外部への情報流出を防いでいます。
この概要書作成には、各種資料を慎重に読み込み、裏付けを確認する必要があることから一定の時間を要します。(いわゆる一般企業M&Aでのデューデリジェンスにあたる工程と言えます)
中にはその手間を惜しみ、「確定申告書」や「法人決算書」などをそのまま買い手候補に提示している仲介業者もあるようですが、
継承相手候補となる先生は基本的に医業経営への関与が少ない勤務医の方が多く、財務諸表を読み込み理解することには不慣れです。
そのために無駄な時間を要し、意思決定できなくなるのは、あきらかな機会損失です。
先生からの必要書類のお預かりと、精微な概要書作成はクリニック継承を進めるにあたり、非常に重要な最初のプロセスと言えるでしょう。
■まずは無料相談や継承診断をご活用ください
クリニック継承においては様々なことを検討する必要がありますが、お気軽にご相談いただけるよう、相談料や着手金はいただいておりません。
今回ご紹介させていただいた、概要書や必要書類に関することはもちろん、継承に関してご不明な点や知りたいこと・不安なことなどございましたら、お気軽にご相談ください。