承継開業でスタッフって引き継いだ方がいい?

 

クリニックを承継開業の一番のメリットは患者さんを引き継げることですが、承継開業をお考えの先生から「スタッフも一緒に引き継いだほうがよいのでしょうか」という質問をいただくことが多々あります。

■運営形態によってスタッフの扱いは異なる

まず前提として、クリニックを承継する場合、スタッフの扱いは、承継するクリニックの経営形態が「医療法人」であるか「個人事業」であるかによって異なります。

①医療法人の場合
医療法人としての医療機関コードをそのまま引き継ぐ(経営権のみ買い手の先生に移る)ため、原則としてスタッフの雇用も維持されたまま継承される。

②個人経営の場合
個人経営のクリニックの継承の場合、手続き上、一度クリニックを廃止した後に、同じ場所で新規開設となるためにスタッフは一旦解雇扱いとなり、再度雇用契約を結ぶ。
※法律上買い手側がスタッフを引き継ぐ義務はないが、譲渡条件として設定されている場合も多い

①②ともにスタッフを引き継げることは、「顔の見える地域患者さんの離散防止」「一から採用・教育をしなくてもよい」といったメリットがある反面、「勤続年数が長く給与が高額になっている」「新院長の方針と意見が対立するリスク」といったデメリットもあります。②の場合で、特に継続雇用を条件に含めておらず、継続雇用するか否かを選べる場合は、継続雇用のメリット・デメリットを勘案した上で引き続き雇用するかどうかを決めましょう。

■スムーズなスタートを切るためには引継ぎ時の面談が重要

いずれの場合でも、実際に承継し新体制でスタートする前に、売り手側の院長の許可を得た上で、各スタッフとの面談を行います。
その際に、自身が院長として目指す姿や、経営理念、スタッフへの期待を伝えるなど、コミュニケーションをとっておくことが重要です。

スタッフ側から見ても、院長が代わるということは大きなイベントであり、不安を感じない方はいません。

そうした不安の払拭する意味でも、引継ぎ期間中に事前面談を行い、スタッフ個々人ごとに状態を把握しておくことはスムーズなスタートを切るためにも必要不可欠だと言えるでしょう。

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