開業医になると勤務医より楽になる、はホント？

私たちが、日々開業を目指されている先生からお話を伺う中で、 「今勤務医として働いているが、多忙すぎる。もう少しゆとりをもって働くために開業を考えている」 という、開業理由をお話いただくことがあります。

果たして開業するとゆとりをもって働けるようになるのでしょうか？ 率直に申し上げるとその答えはNOです。

確かに、医療の最前線で、当直をしながらいつ呼び出しが来るかわからない状況におかれ、せわしなく働かれる勤務医に比べ、 午前の診察をして休憩を挟んでまた診察をして、同じ日常の繰り返し…

といった、どこか牧歌的な、ゆったりとした働き方を思い浮かべる先生もいらっしゃるのではないでしょうか？

実際は大きく異なります。

■開業医は、自身の行動がそのまま経営実績として現れる

ある程度の給与が保証される勤務医とは異なり開業医は、
「やるかやらないか」 「流行る医院になるか全く流行らないか」 「稼げるか稼がないか」
すべて自己の経営責任として結果が顕著に表れます。

その為、診察だけに専念できた勤務医時代とは異なり、受付・会計業務、スタッフの教育・管理など、診察以外のあらゆる面に気を配る必要があります。

つまり開業には医師としての視点だけでなく、管理責任者としての視点も重要となります。 勤務医時代とはまた違った多忙さがあると言えるでしょう。

■一人の医師から一つの医療機関へ

しかしながら、開業医は勤務医では得られない良さがあります。

• ・自身の裁量をもって医業にあたれる
• ・勤務医では難しい独自の診療スタイルを実現する
• ・生まれ育った地域に医療を通じて貢献する
• ・勤務医より大きな報酬を得られる
• ・勤務医時代に診ていた患者様がわざわざ通ってきてくれる

一医療機関内の一人の医師から、その地域にある一つの医療機関として、求められる役割が変化するのが大きな違いでしょう。

また、近年注目されている承継開業は、「前院長が築いた経営基盤を引き継ぐことができる」というメリットがあり、一般的な新規開業における集患の課題を軽減できる可能性があります。 今後、開業をお考えの際には、承継開業も視野にいれてみてはいかがでしょうか？