開業医っていったい何歳まで働けばいいの!?

クリニックの第三者継承が認知されるにつれ、どんなことからはじめればいいのか悩まれる先生も増えてきています。

今回は「開業医っていったい何歳まで働けばいいの!?」についてご紹介いたします。

開業医は勤務医とは異なり、定年がありません。
医師としての能力や健康状態が維持できていれば、本人の意思次第では生涯現役を目指すことも可能です。

実際、クリニック経営者の年齢別の割合は、60代が約35%、70歳以上が約21%と、半数以上が60歳を超えており、さらには昨今の課題となっている、後継者探しの困難も影響して、多くの開業医の先生が70歳を超えても現役で働いておられるのが現状です。
開業医の先生は引退時にどのような問題やお悩みを抱えておられるのでしょうか?

◆開業されている先生が引退の際に悩まれること

お悩み①「借入金等残債務の返済」
クリニックの経営も一般企業と同様にライフサイクルを考えることが重要です。
開業して順調に集患できるようになるまでの「導入期」から、「成長期」「繁栄期」、そして引退もしくは承継を考える「衰退期」と、クリニックの成長にも波があります。
引退時点で設備投資等による借入金の債務が残っている場合について、廃業により医療機器等の廃棄コストも相当額がかかりますので、想定外の出費も考えられます。
そのような理由で、引退後も残債の返済に苦しむケースもしばしば見受けられます。

お悩み②「後継者問題」
開業しているクリニックの約8割が後継者不在といわれています。
実子が医師であったとしても、親のクリニックを引き継がずに勤務医の道を選択するケースが増えており、それに伴い弊社のような第三者継承をご支援する会社も多くなりました。
当初のライフプランでは65歳~70歳での引退を考えていたとしても、後継者が見つからないまま第三者継承にも踏み切れず、ご自身の体調不良などを理由にやむを得ず廃院されたという事例も少なくありません。
親族もしくは第三者に継承する場合も、一定期間は後継者と一緒に診療や経営を行い、スムーズに引き継ぎを行うのが理想的です。
このようなことを考えると、健康を害したり、患者数が減ってから慌てて後継者を探すのではなく、70歳頃の引退時期に合わせ、数年かけて「引退準備」を進めることが望ましいと言えるでしょう。

お悩み③「引退後に必要な資金の目安」
引退後に必要となる資金の考え方は、個人医院と医療法人とで異なります。
引退後の主な資金源は公的年金と個人年金および貯蓄などの金融資金の取り崩しとなります。
個人医院では国民年金、医療法人の場合はそれに加えて厚生年金を受け取ることが可能です。
さらに医療法人では税制優遇される退職一時金を用意することもできます

老後の不安の多くは、「先が見えないこと」です。
具体的に毎月の生活費、ローン残金、住宅維持費などの金額をなるべく細かく書き出すことでおおよそ必要となる資金の目途が立ちます。
それらの約30年分+臨時支出の合計を、退職金もしくは保険、長期投資、貯蓄などで準備しておくとよいでしょう。
では、これらの問題を踏まえ、院長先生が意識すべき引退のタイミングとはいったいいつなのでしょうか?

◆開業医が意識しておくべき引退のタイミングとは

2021年から今もなお収束の兆しが見えない新型コロナウイルス。
患者様の受診控えなどクリニック経営への影響から、「休廃業・解散」が急増していると言われています。

開業医にとって引退とは、単に仕事を辞めるというだけではなく、廃業となった場合には職員の失業、患者様がかかりつけ医を失う、地域の医療機関がなくなる等、様々な影響が懸念されます。
できれば親族や第三者にクリニックを引き継いでもらえると有難いのですが、様々な要因でそう簡単にはいかないのが現実です。

弊社がご支援する中でよくお話させていただくのは、例えピーク時に100人/日の来院患者があったクリニックだとしても、引退間近となり、休診日を増やす・診療時間を減らすなどにより患者様が離散しきってしまった後では「クリニックを引き継ぐ側のメリットがなく、後継者探しは難航せざるを得ない」ということです。
率直に申し上げると、安定期の患者様を引き継ぎ、初月からの黒字経営が期待できるという承継開業のメリットが得られないクリニックにはいくら少額であっても投資の魅力がありません。

そこで、将来の第三者継承を選択肢として念頭におくのであれば、ご自身が60歳を超え、安定的な売り上げに微減の兆しが見えてきた段階からコンサルタントに相談するなど、少しずつ引退への準備を始めることをオススメします。

◆ハッピーリタイアメントを迎えるために

いかがでしたでしょうか。
医師という職業は健康とスキルを維持することができれば、60代の定年時期を迎えた後でも、ご自身のペースで医師としての仕事を継続することができます。
クリニックを継承した場合も、非常勤医師として週1、2回程度引き続き働くこともできますし、自身の専門性を活かして他の医療機関でスポット勤務で働いたりと、現役を続けるという選択が可能です。

もちろん、仕事から完全に離れ、海外旅行や趣味に没頭するなど、自由な生活を送ることもできます。
このようなハッピーリタイアメントを迎えるためには、「引退時期に合わせた早め早めの準備」がその秘訣と言えるのではないでしょうか。

弊社では、約半世紀を通じ全国26万人の医師ネットワークを活用し、クリニックの後継者問題に悩まれる先生を対象に継承支援サービスを提供してまいりました。

既に他社にご相談されている場合や、閉院をご検討中の先生もセカンドオピニオンとして是非弊社の無料診断サービスをご活用ください。