電子カルテ導入時に知っておきたいポイント!

今回は、「電子カルテ導入時に知っておきたいポイント!」と題しまして、電子カルテを導入する際の選定ポイントについて簡単に解説してまいります。

◆そもそも電子カルテとは?

電子カルテとは、紙ではなくPCで管理するカルテのことです。
受付のレセプト(診療報酬明細書)を作成するためのレセコン(レセプトコンピュータ)と繋がっており、患者様が来院し、受付を済ませると、先生の手元にある電子カルテに来院患者様リストが表示される仕組みとなっています。

先生はそのリストから患者様の過去カルテを見て診察や記録を行います。
また、電子カルテはオンラインで外部に検査依頼を出したり、インターネットを経由して検査結果を取り込んだり、患者様の各種データを管理することが可能で、院内の情報管理の中心となります。

◆クリニックにおける電子カルテの普及率

現在、クリニックにおける電子カルテの普及率は約5割程度と言われています。
今後、新規開業時の電子カルテ導入により、ますます普及率は上がっていくと予想されます。
地域医療連携や地域包括ケアなどに対応するためには、電子カルテが必須となります。

◆電子カルテを導入するタイミングは?

昨今、クリニックを新規開業される場合は、電子カルテを導入されることがほとんどです。
また、世代交代やクリニック継承などにより、承継開業をされる場合も、紙カルテから電子カルテに切り替えを行われるケースが多いように見受けられます。

◆では、電子カルテはどうやって決めればいいの?

クリニック向けの電子カルテは、様々なメーカーのものがあり、全国約10万のクリニックに対して、50社以上の電子カルテメーカーが存在します。
そもそも電子カルテは単独で使用するものではなく、受付のレセコンと連動させて使いますが、電子カルテの種類によって、接続できるレセコンも異なります。
先にレセコンを選んでから電子カルテを選ぶと選択肢が限られてしまうので、電子カルテを導入する際には先に電子カルテを決めてからレセコンを選ばれることをオススメします

一般的に大手メーカーの電子カルテは、レセコンもセットになった統合システムであることが多いのですが、そうでない場合は、ORCA(進化型オンラインレセプトコンピュータシステム)と呼ばれる医師会のレセコンに接続する電子カルテが大半です。

それぞれの特長としては、大手メーカーの電子カルテは、様々な機能が搭載されており、レセコンとのデータ連携も深く、受付と先生との間で色々なデータのやり取りが可能となります。
一方、​​ORCAとそれに対応する電子カルテルテを導入する場合は、比較的コストを抑えた導入が可能なのですが、レセコンと電子カルテとのデータ連携の範囲は狭く、できることには限界があります。

◆クラウド型とオンプレミス型

さらに、最近ではクラウド型の電子カルテもあります。
クラウド型の場合、レセコンはORCAを使うものが多く、先生はパソコンを用意し、インターネット経由で電子カルテを使うスタイルになります。
SaaS型のサービス提供となるため、これまでの電子カルテにおける「システム一式納品」とは考え方が大きく異なります。
サポート体制も、これまでの電子カルテに比べると簡素になり、その範囲も電子カルテソフトに限られます。

◆電子カルテ導入のメリット

電子カルテ導入には、初期費用として300万円~500万円程度がかかります。
しかし、その費用対効果は大きく、紙カルテをデータ化することで保管場所が不要になり、検索や移動にも人手がかからなくなるなど効率化に貢献します。
また、先生の手元にある電子カルテがクリニックの情報機器の中心として動くので、利便性の向上にもつながります。

<メリット>
*診療情報のデータベース化が可能
*検査会社など外部とのオンライン接続が可能
*カルテ関連業務のスピード化
*カルテの保管場所が不要
*紛失の心配がない
*指示~フィードバックに人手が不要
*スタッフの残業時間削減

◆スムーズな導入のためには?

前述の通り、電子カルテを導入する際には一式で約300万円~500万円のコストがかかります。
その内訳は、受付に置くレセコン、ドクターの手元に置く電子カルテ、院内のネットワークを作るサーバー、という一般的な3台構成です。
そこからさらに、受付のPCを増やしたり処置室にノートPCを設置したりすると、追加料金がかかります。
電子カルテ導入時のお見積もりの際には、どこに何台PCを置くのか、どのような構成にしたいのかを具体的に決めておくとスムーズです。

◆電子カルテはリースも可能

電子カルテ導入には、リースという選択肢もあります。
合計300万円の電子カルテを5年リースで考えると(料率1.8%で計算)月額は約54,000円程度となります。
クリニック開業の際の開業コストの負担軽減をお考えの際は、リースをご検討されてみてはいかがでしょうか。

◆開業に関するご相談など、お気軽にお問い合わせください

いかがでしたでしょうか?
クリニック開業の際には、電子カルテや医療機器、検査機器などの他にも様々なコストがかかります。
電子カルテの選定の際には、電子カルテ単体ではなく、開業全体のことを考えて決定することが良いスタートを切るためには重要です。

弊社と提携する日本医業総研は、新規開業・承継開業合わせ、600件以上の支援実績をもつ、クリニック支援に特化したコンサルティングファームです。

今回ご紹介した電子カルテ選定などのテーマはもちろん、クリニックの開業を成功に導くためのノウハウを豊富に有しております。
開業に関するご相談や、承継開業の為の案件紹介依頼などお気軽にお申し付けください。