クリニックを休業…。そのとき現れる怪しい○○に要注意!

 

◆クリニックを休業する際に必要な対応

≪スタッフの処遇について≫
まず、はスタッフの方々に状況説明を行い、休業の旨を伝えなくてはなりません。
そしてスタッフの方々の処遇に関しては、スタッフの生活への影響をしっかりと考える必要があります。
最近では医療業界においても人材不足が懸念され、雇用が難しくなっている状況がございます。
そういった昨今の状況を考慮すると、休業期間の目途や人件費の負担がどのくらいかかるかにもよりますが、できれば休業期間中も雇用継続を前提に考えた方がよいのではないでしょうか。

また、使用者の都合によりスタッフを休業させる場合、労働基準法第26条の定めにより休業手当として1日につき平均賃金の6割以上を支給する必要があります。
患者様にとっては、院長の存在は勿論ですが、顔見知りのスタッフがいることもクリニックを離れない理由の一つでしょう。
休業期間が短期間で済むようであれば、スタッフの離職対策として平均賃金の10割とまではいかなくても8割以上を補償するなど、補償率を上げることも対策としては有効なのではないでしょうか。

≪患者様・取引業者への説明≫
患者離れを防ぐためには、しっかりと説明を行うことも重要なポイントとなります。
休業して間もなくは、貼り紙だけではなく、診療を行っていなくても患者様への説明のためにクリニックを開けておくことをお薦めします。
そして、来院された患者様へスタッフから直接丁寧に説明を行うのが最も良い方法です。

クリニックを再開する目途がまだ立っていない場合は、患者様の不安を招いてしまいかねません。
ですので、休業についての説明を行う際には、いつ頃診療を再開予定なのかということも併せてお伝えするのが良いでしょう。

また、クリニックに出入りしている業者の方への対応は、どのような形で伝えるかを慎重に検討し行わなくてはなりません。
院長が病気療養という噂は、人伝いであっという間に広がってしまうものです。
業者の方は、親しいクリニックスタッフから話を聞き、その噂は瞬く間に周辺の競合医療機関等に伝わってしまいます。
そして、話に尾ひれがついた状態で患者様の耳に入ってしまうこともしばしばございます…。

院長の体調に関わらず、普段からクリニックの運営等に関する情報漏えいを禁止するルールを就業規則などに盛り込み、しっかりと指導しておくことが、このような噂話が広まってしまうといった事態を防ぐためには重要となります。

◆怪しい継承話にはご注意

そして本記事のタイトルにもあるように、院長の体調不良などによる代診や休業などの情報が出回ると、全く聞いたこともないような業者などから、クリニックの継承や買収の話が持ち込まれたりすることも珍しくないようです。

特に第三者継承のための後継者探しを始めると、いかにも良い話のように見せかけて、訳のわからない情報を持ち込んでくる怪しい人物が現れることがあるそうです。
その人物は所謂「悪質ブローカー」と呼ばれる存在です。

これらの悪質なブローカーは、早く後継者を見つけたいという院長のはやる気持ちにつけこみ、秘密保持契約も交わさないまま、貴院の継承を希望している先生がいるという口先だけの話を持ち込み、院長の確定申告書や収入についての情報を入手しようとします。
そしてこれらの情報を入手し、いつの間にか勝手に情報を勝手に開示してしまうのです。
そうすると「あのクリニックは売りに出されている」といった嘘のうわさが広まってしまい、スタッフの離職や患者離れといった最悪のケースに陥ってしまう可能性もあります。

また、これらのブローカーは、クリニック側に不利な契約書を交わそうとするケースもあります。
しかし、継承に関する契約の条件は一見しただけでは分かりにくいことも多く、ご自身だけでは判断がつかないこともあるかと思います。
まずはその手の話が持ち込まれたら、顧問弁護士やクリニック継承を専門とする仲介会社などに「この契約は怪しくないのか?」と相談して、慎重に対応することが後々のトラブルを防ぐためには重要です。

◆クリニックの閉院や継承に関するお悩みはございませんか?

いかがでしたでしょうか。
院長の体調ややむを得ない事情によりクリニックを休業する場合、スタッフや患者様、業者への対応は慎重に行わなくてはなりません。
また、これらの事態を防ぐためにも元気なうちに後継者探しや閉院など、引退プランを考え、準備をすすめていくことが、よりよい引退を迎えるためには重要なのではないでしょうか。
また、継承や閉院の際には、円滑にそれらを進めるためにプロの仲介業者に依頼をし、サポートを受けなが進めていくことをお薦め致します。

弊社では、引退(親族間継承、第三者継承、閉院準備など)に関する無料の個別相談を承っております。
何か引退に際しての気掛かりごとがございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。