クリニック継承でよく耳にする「概要書」とは❓

今回は、クリニック継承でよく耳にする「概要書」について解説してまいります。

◆概要書とは?

クリニック継承において欠かすことのできないが「概要書」といわれる書類です。
承継開業をご検討中の方が案件を判断するための情報は、確定申告書やクリニックのホームページ、レセプトデータなど様々な形で存在していますが、これらの情報を収集・精査してわかり易く整理し、まとめたものがクリニックの「概要書」となります。

この概要書が、後継者を探すうえでの「自院をアピールするプレゼンテーション資料」として重要な役割を果たします。
概要書には決まった書式があるわけではなく、仲介業者(コンサルタント)によって内容は異なりますが、参考までに基本的な構成についてご紹介致します。

①承継概要
・クリニック名
・所在地
・創業・創立
・院長
・貯金医業収益
・職員数
・許認可
・譲渡理由
・標榜診療科 等
②損益計算書(3期分)
③B/S
④売り上げ内訳
⑤譲渡内容
⑥希望条件
⑦その他、院長プロフィール、平面図、主要医療機器、競合 等

考え方としては、まず最初に承継概要をまとめ、順に②以降の詳細資料を出していくという流れになります。

◆概要書の重要性

弊社のようにクリニック継承を専門に行う仲介会社の場合、まずはこの概要書を基に、お問い合わせいただいた後継者候補の方に承継案件を提案していきます。

しかしながら、前述のとおり概要書の作成にあたっては、
①書類・データ収集を行う
②データからそのクリニックの状況・ポテンシャルを見極める
③分かり易くまとめて整理し直す
という、非常に手間のかかる工程を踏まなくてはなりません。

そのため、仲介業者の中には概要書の作成を一切行わず、後継者候補の先生に承継案件をご提案する際には、クリニックの生データ(※)をそのまま提示するといった会社も存在します。
※生データ…クリニックのホームページ、確定申告書・決算書、賃貸借契約書、レセプトデータなど

もちろん、後継者候補の方が財務や経営について詳しい知識を有している場合であれば、こうした生データからクリニックの状況を読み取ることも可能かもしれませんが、現実的ではないでしょう。
ですので、概要書なしで大量の生データだけを見せられたとしても、正直なところ「買う・買わない」の判断ができないという結論に至ります。

これらのことを踏まえ、クリニック継承を仲介会社(コンサルタント)に依頼する際には、その仲介業者がしっかりと概要書を作成してくれるのか?、また作成してくれる仲介業者の中で迷っている場合は、概要書のサンプルを提示してもらうなど仕事の丁寧さを比較してから依頼先を決められることをオススメ致します。

◆クリニック継承や閉院に関するご相談を承ります

いかがでしたでしょうか。
今回解説したクリニックの「概要書」は、後継者候補の先生にご自身のクリニックをより魅力的にアピールするために大変重要となる資料です。

弊社では、グループ内に税理士法人や社労士法人を有するクリニック経営に特化したコンサルティングファームである日本医業総研と連携し、先生からいただいた資料やご希望に沿って丁寧に「概要書」を作成致します。

クリニックの運営や将来の引退に際するお悩み事などがございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。