開業医の引退(リタイア)戦略って?

開業医の先生方にとって「引退(リタイア)戦略」は、開業時の計画同様に大変重要なことでしょう。
事業を縮小しながらも生涯現役で医業を継続させていくという選択もできますし、子や親族や外部の医師に継承する方法など、その選択肢も様々です。

今回は、「開業医の引退(リタイア)戦略って?」と題しまして、引退について考え始める時期やリタイア戦略の選択肢などについて見てまいりましょう。

■引退(リタイア)戦略はいつから考えるべきか

さて、開業医の先生方にとって、一体いつ頃から引退(リタイア)戦略について考え始めるのが妥当なのでしょうか?

日々の生活の中で、ご自身の体調面や年齢などを理由に診療を続けることが困難になったり、他にやりたいことができた等、引退について考え始めるきっかけは色々あるかと思います。

しかし、理由はともあれ、理想の引退を実現するためには、これらのきっかけが出てきた時こそがベストなタイミングと言えます。
その理由は、医業の継続・閉院・継承のいかなるリタイア戦略を選択する場合でも、共通して一定の時間が必要となるからです。

■引退(リタイア)戦略の選択肢と特徴

前述の通り、引退(リタイア)戦略の選択肢としては、生涯現役、親族内・第三者継承、閉院の3つが一般的です。

これらの選択肢から、自身はどの選択肢を選ぶべきなのか悩まれる先生も多いことでしょう。
以下、簡単にではございますが、それぞれの選択肢の持つメリット・デメリットについても見ていきましょう。

①生涯現役
<メリット>
・これまで通りの収入を維持することができる
・患者さんを診続けることができる
・スタッフも診療が続く限り雇い続けることができる など
<デメリット>
・体調面や体力面で事業(診療)を縮小すると収入が減る
・医師として学び続けることが必要
・万が一の場合には、患者さん・スタッフ・家族に迷惑をかけてしまう可能性がある など

②継承
<メリット>
・親族内・第三者継承に共通して今後も医業の継続が可能
・長年の経営の重圧から解放される
・第三者継承の場合は譲渡による一定の対価も得られる
・条件によってはスタッフの雇用が継続される
・引退後に勤務医として医師を続けることも可能 など
<デメリット>
・親族内に医師がいない場合は後継者探索を行う必要がある
・引き継ぎなども含め、継承成立までは短くとも1年程度の時間を要する
・クリニック継承をコンサルティング会社に依頼すると仲介費用等がかかる など

③閉院
<メリット>
・長年の経営の重圧から解放される
・趣味や旅行などプライベートな時間が増える など
<デメリット>
・原状回復やスタッフの退職金等の閉院費用がかかる
・医療機器の処分やカルテの保管についても考えなければならない
・患者さんの紹介先の探索及び紹介状の作成を行わなければならない
・様々な行政手続きが発生する など

■クリニックの運営・継承・閉院等に関するご相談を承っております

いかがでしたでしょうか。
親族内に後継者となる医師が不在の場合、昨今では第三者継承という方法を選択する先生も増えています。
しかし、引退までの時間が短ければ短いほど、後継者探しは難しくなってしまいます。
また、「後継者候補に引継ぎを行う」といった時間も、考慮しなければなりません。
だからこそクリニック継承を検討される場合には、時間に十分な余裕をもち、理想を言えばご自身の考えておられる引退時期の少なくとも2~3年前には、一度先生のご状況などについてご相談いただくことをお薦めしております。

弊社では、引退(親族間継承、第三者継承、閉院準備など)に関する無料の個別相談を承っております。
引退に際しての気掛かりごと等がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。