クリニック開業にちょうどいい日は?
■医師はいつ開業を決意するのか
毎年全国で2,000件近くのクリニックが新設されています。
開業時の医師の平均年齢は約42歳。勤務医として研鑽を重ね、一定の業績と自信を深めた後に開業医として自らの城を築くという流れは今も昔も大きく変わりません。
日本政策金融公庫の調査によれば、開業時の年代は「30歳代」が35.8%と最も多く、次いで「40歳代」が34.2%となっており、30代後半~40代前半に開業する先生が多数を占めることがわかりますが、開業の事情は先生一人一人違いますし、パートナーやお子様など家族の人生にも大きく影響してくる、医師人生での重要な節目でもあります。
※https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_160119_1.pdf
周囲の状況も鑑みながらベストな開業タイミングを見つけることが必要ですが、開業するのに適したタイミングはあるのでしょうか?
今回は、開業を決意するのにちょうどよいタイミングについて掘り下げていきます。
■開業に至るタイミングは様々
*気力・体力が充実した30代後半~40代前半がねらい目
大学病院や臨床研修指定病院での研修の後に、現場で経験を積み、専門医資格や博士学位などを取得し、さらに若手医師の指導なども手掛ける30代後半~40代前半は、まさに臨床医として脂が乗ってくる時期といえます。さらに上位のポストを目指す方がいる一方で、医局を離れての転職や開業など一気に医師としてのキャリアに広がりを見せる時期となります。
新たなキャリアチェンジに向けた下準備や、医業経営者としてのマネジメントスキルを学ぶ向上心や柔軟性を持ち合わせているのもこの年代といえそうです。
開業の際は、「円満退職しやすいタイミングを選ぶ」という点にも注意が必要です。
開業の成否に大きく影響する立地選定において、診療科によっては病院の担当患者さんや退院後の通院患者さんを紹介いただくなど、前職の近くを候補地にするのは定番のパターンです。
地域連携室や訪問看護部門など、地域への積極的な働きかけを行っているスタッフとの親交があれば、開業後の地域連携や訪問診療などにも優位性を発揮します。地域住民にとっても、「地元に馴染んだ先生」の存在は心強いものです。
開業では、後任医師が見つかるまでの十分な期間を設けるなど、病院の円滑な運営に配慮して退職希望を出されることが、結果的に開業後の安定運営にもつながります。
■ご家族の事情や地域の開発動向も考慮
クリニック開業では、ご家族の理解・協力が不可欠です。
多忙と引き換えに安定的な収入を得てきた勤務医から、収入の保証がなく多額の借入金を背負うことになる開業医への転換は、希望と同時に不安もあります。
とくにお子様の教育や、住まいの環境は、奥様にとっても大切な問題です。
経営者としての長期的な視野に立って、開業とそれに伴うご家族のライフプランを十分に話し合い、理解を深めることが大切です。
地域の生活動線の変化も重要なエリアマーケティングの一つとなることから、大規模な不動産開発や医療モールの新規開設なども、クリニック開業が注目を集めるチャンスとなります。
こうした情報にも目を向けて、開業のタイミングを図ることも有効な手立てです。
■開業をご検討ならお気軽にご相談ください
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