[7]告知/引継ぎ クリニック継承の流れとは

 
 

クリニック継承は売る側・買う側それぞれのマッチングによって成り立ちます。 譲る側の院長先生からみた場合、おおよそ以下の流れに沿って後継者探しを進めていきます。

[1]お問合せ・個別相談
[2]必要書類のお預かり/概要書作成
[3]募集開始/候補者のご紹介
[4]候補者とのご面会
[5]意向表明/条件交渉
[6]譲渡契約
[7]告知/引継ぎ
[8]譲渡完了

今回は、[7]告知/引継ぎについて詳しく見ていきましょう。

■クリニック継承における引継ぎの重要性

スタッフや患者さんへの院長交代の告知や、買い手側医師は資金調達、などを進めていきます。
この引継ぎの工程はとても重要になります。
承継開業を希望する買い手の多くは、患者さんを引き継ぎ、当初から黒字開業できることにメリットを感じ、それを対価に置き換えるわけです。
売り手側は譲渡金を受け取る以上、スムーズに患者さんを引き継ぐ責務が生じるといってもよいでしょう。

弊社も過去に経験したケースですが、患者さんの多くが前院長のパーソナリティに強く依存しており、承継後に患者の減少が予想される場合、
承継後もある一定の期間、前院長にスポット勤務などをお願いし、患者さんの安心した定着を促す案件もございました。

また、個人立のクリニックの譲渡を考える場合、制度上、一度閉院をし翌日に開業をするという工程を踏む関係上、新規開業と同じ扱いとなり、買い手側の新院長は1か月は保険診療ができない状態になってしまいます。

この事態を避けるため、「遡及手続き」が必要になりますが、この遡及が認められるには、ある一定以上の引継ぎ期間が取られていることが条件になります。

そういった意味でもクリニック継承において引継ぎは重要な意味を持ちます。

■告知のタイミングはいつ頃が適切?

スタッフや患者さんへの告知はタイミングを考える必要があります。
早すぎても遅すぎてもいけません。
弊社の場合は以下のような進め方をおすすめしています。

*スタッフへの告知
開業予定日(院長が交代する日)の3か月前に実施。このタイミングではスタッフのみに情報を留めておくようにしておく

*患者への告知
承継予定日(院長が交代する日)の3か月前より順次実施。院内掲示物などで告知の他、新院長が前院長とともに実際に診療に入り、患者に交代する旨を伝えていく。
などを考慮すると3か月前、遅くとも2か月前には行う

また、告知や引継ぎと並行して、必要な行政手続きも進めることになります。
これらは、譲渡するクリニックの運営形態や、買い手が個人(勤務医)であるのか否か等によって手続きの内容は変わってきますが、弊社が最後までサポートいたしますのでご安心ください。

■クリニック継承は契約完了で終わり、ではありません

いかがでしたでしょうか?クリニックの継承を仲介する業者の中には営業効率を重視し、
譲渡契約締結までで仕事を手放してしまう場合も珍しくありません。

実際に継承の現場を見れば、譲渡契約締結はあくまでプロセスの1つにすぎません。
真の意味で継承を捉えるならば、継承にかかわる資金調達、継承後の医院運営を見据えた告知や引継ぎ、そして引継ぐ側の開業開始を待たずして完了とはいえません。

もし、閉院や継承に関するお悩みや、お困りごと等がございましたら、是非一度無料相談をご活用いただければ幸いです。