うまく開業できた、と思ったら問題発生!?その①

 

 

■知人の医師からクリニックを承継して開業したが…

「そろそろ自分の医院を持ちたい」そうぼんやりと考え始めていたA医師のところに、「自分も高齢だしよかったらうちの医院を引き継がないか?」とB医師から打診がありました。

興味をひかれたA医師は、B医師のクリニックを何度か訪問・見学し、近隣相場と比べ賃料は割高ではあるものの、駅からのアクセスが良く、集患数も安定しているという点に魅力を感じ、承継開業に踏み切ることを決意しました。

旧知の関係で、既に何度も面談を重ね、譲渡条件も折り合っていることから、契約や行政への手続きの部分だけ仲介会社を入れようという話になり、C社(クリニック非専門)に依頼。無事承継開業に至りました

しかし、開業後しばらくすると、実際に来ていた患者は当初の約半分にまで落ち込んでしまうことになります。

いったい何が原因だったのでしょうか?

■契約に競業禁止条項を盛り込まなかったばっかりに…

診療スタイルの変化や、不慣れな接遇にも一定の原因があるかもしれないが、さすがに患者数が半減まではしないだろう、と疑問に思ったA医師は、色々と診療圏内の調査を行ったところ、実は、B医師はクリニックを譲ったあと、同一エリアの住宅地で新規に開業していたことが判明しました。

通院患者さんのうち、B医師と付き合いが長い方が新しいクリニックについていってしまったということです。 B医師に悪意があったとは思いたくありませんが、おそらく、経営は順調だったものの、相場より高い賃料を嫌い、家賃負担が少ない場所への移転を狙ったのだろうと推察されます。

急いで締結した契約の内容を見直しましたが、一定期間近隣での開業を禁止する、いわゆる「競業禁止条項」は盛り込まれておらず、今回のようなケースは十分発生しうる内容になっていました。

本来であれば、仲介業者が入り精査をすることで発見できる契約内容の不備を見逃してしまっていたということです。

A医師は、集患対策を第一の狙いとして、承継開業を選んだわけですが、患者引継ぎのメリットを充分に享受することができず、高額な賃料を払いながら集患に苦戦するという最悪の結果になってしまいました。

■万が一のトラブルを未然に防ぐためには

いかがでしたでしょうか? 医院継承においては、一般企業のM&Aとは異なる特有の事情も多く、 先生個人同士や、クリニック非専門の仲介業者で進める場合には、見逃してしまいがちな、開業後のリスクが多々存在します。

クリニックを引き継ぎ、開業医としての新たな道を歩み始めるはずが、今回のような万が一のトラブルに見舞われてしまわないよう、専門家にアドバイスを受けながら進めることをお勧めいたします。

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弊社と提携し、クリニックの開業・経営をサポートさせていただく日本医業総研はグループ内に税理士法人や社労士法人を有するクリニック経営に特化したコンサルティングファームです。

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