クリニック継承するならリフォームしたほうが良い?
「クリニックを第三者に継承するなら、建物や内装はきれいな方が後継者は見つかりやすいのでは?」
そのように考えられる院長先生は少なくありません。
実際にノンネームで後継者を募集する際にも、内装や建物がきれい、というのは買い手へのアピールポイントの一つにもなります。
今回は、クリニックを継承することを前提に考えるならば、内装や建物などをリフォームしたほうがいいのかどうか?についてご紹介いたします。
■確かに建物や内装はきれいに越したことはないが…
結論から申し上げますと、第三者への継承を考えているのであれば、クリニックの内装や設備などに大きな投資をすることはおすすめはできません。
その理由としては2つあります。
*簿価が高くなってしまう
一つは、リフォームや機器の新調をすることで、帳簿上の固定資産額が高くなってしまうということです。
クリニックの譲渡額は主に以下のように算定します。
実質利益の1年分(直近3か年の平均)+固定資産額(医療機器などの簿価額)
多くのクリニックでは、減価償却により医療機器などの帳簿価額はほとんど0円に近い状態になっていることが多いのですが、新調してしまうと当然簿価は高くなってしまいます。
その分、全体の譲渡額も高くなってしまうことで、候補者が見つけにくくなる可能性があります。
*買い手が考える開業ビジョンと異なる可能性が高い
2つの理由としては、売り手が考える設備投資の内容と、買い手側が希望する開業ビジョンとは必ずしも一致しない、という点です。
望まないリフォーム物件を資産として買取り、事業利益から減価償却するのはだれでも不本意でしょう。
実際、クリニックを承継された先生の中でも3~4割の先生は、自身がやりたい診療を実現しやすいよう、患者やスタッフの導線を考えた上でリフォームを実施されています。
つまり、売り手が行った設備投資の内容と買い手の先生が考える開業ビジョンが一致していない場合は、譲渡額が割高になった上、自身が行いたい設備投資分の費用がかかることになってしまいます。
医療機器なども、先生によっては「このメーカーの内視鏡でないと」と希望される場合もあり、もともとあった機器を廃棄し、新たに購入される、といったことも承継においては珍しくありません。
■過度な投資は控えてなるべくきれいに使う
もちろん、後継者ご子息/ご令嬢に将来的に譲ることが決定しているのであれば、
子供の為にクリニックを奇麗にリフォームしておく、というのは親心だと思います。
その場合でも、本当に引き継ぐ側が望む設備投資の内容になっているのかどうか?という観点は必要です。
また前述のとおり、第三者継承を前提に考えるのであれば、大規模な設備投資はかけない方がよいと考えられます。
もし、ご勇退に際して継承の選択肢も視野に入れているのであれば注意しておきましょう。
■ご相談やご質問、クリニックの診断など無料で承ります
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した内容は、ピンポイントな内容ではありますが、クリニック継承を考えるにあたり、気を付けておきたいポイントは様々な箇所に存在します。
弊社では、クリニックの第三者継承や、引退に向けてしっておきたい内容を盛り込んだセミナーを毎月開催している他、
オンラインやお電話で個別の相談を承っている他、直接お伺いさせていただく形でも承っております。第三者継承や、ご引退にまつわるご相談は非常に個別性が高いものです。
機密保持に配慮しながら、ご質問やお困りごとなどご相談に乗らせていただきますので、是非お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。