医院継承で土地・建物の値段はどうやって決まる?

クリニックの第三者継承を考える際、譲渡額をいくらに設定するか?どうやって決めるか?というご質問をいただきます。
​​​​​営業権部分(のれん代)については、過去にもご紹介してきましたが、不動産部分の価格はどのように決めていくのでしょうか?

今回は、不動産価格の算定方法について詳しくご紹介いたします。

■不動産価額のべースとなる価格は6種類

実は、不動産の価値を算定する場合、その基準となる価格は6つあります。

1.固定資産税評価額
– 固定資産税を算出するための基準とする固定資産価値の評価額

2.相続税評価額(路線価・倍率)
 – 相続税や贈与税を計算するときの基準となる課税価格

3. 公示価格
 – 国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準価格

4. 鑑定価格
 – 不動産鑑定士に依頼して算出した価格

5. 実勢価格(時価)
 – 類似物件が実際に取引があった価格

6. 帳簿価格
 -会計上で記録された資産や負債の評価額

■買い手側の納得性も考えた価格設定を行う

それぞれ状況によって参考とする価格は変わりますが、
クリニック継承においては、買い手側の納得性を担保する必要があることから、以下を参考にすることが多いです。

*土地の場合

・実勢価格
・公示価格
・鑑定価格

これらは、実際に取引があった価格であることや、鑑定の際に評価証明書が出される為、客観性・信憑性が高く説得力があります。

また、買い手側の立場から見ると、インターネットで検索をすれば、坪単価の平均などはすぐに入手できる情報となります。
そこからあまりにかけ離れた価格設定をしてしまっては、当然妥当性のないものになりますし、買い手側もそのデータを根拠に値下げ交渉をしてきますので、避けたほうがよいでしょう。

*建物の場合

・固定資産税評価額
・帳簿価格
・鑑定価格

建物については、上記価格を参考に設定することが多いのですが、
クリニック継承特有の事由として、場合によっては建物については、大きく金額を下げるケースがあります。

買い手側からすれば、その建物を引き継いでクリニックを運営していくことになるわけですから、老朽化の度合いによっては、買い手側の負担で建て替えや大きな修繕が必要になる可能性がでてきます。
建て替え等の判断については、建物の構造と使用用途によって定められた法定耐用年数を目安にしてもいいでしょう。

今の状態から20~25年同じ建物を使えるか?という観点でみた際に、建て替えが必要となる年数を差し引きし、どの程度金額を下げるか?を検討していく必要があると言えるでしょう。

■クリニックの評価額の算定依頼や、継承のご相談は専門家へ

いかがでしたでしょうか?譲渡額を決める際には、お相手を見つける、という目的がある以上、相場からかけ離れていない、信憑性や納得性、客観性がある価格設定を行うのが望ましいと言えます。

弊社と一緒にクリニック継承支援に取り組む日本医業総研は、グループ内に税理士法人、社会保険労務士法人を有するクリニック継承の専門家です。
今回ご紹介したような、譲渡額はどのように設定したらよいか?等のご相談や、後継者候補のご紹介、探索など、クリニックの継承をトータルでサポートいたします。
ご相談は無料としておりますので、是非ご活用ください。