双方が納得するクリニックの譲渡額の決め方とは
勤務医が独立し開業医になる、医療法人が分院展開する、こういった際に既存のクリニックを承継するケースが徐々に増加しており、
クリニックの譲渡額はどのように決めればいいのか?という点は大きなテーマの一つです。
譲渡価格の決め方、評価の仕方は、法律で定められているものではなく、様々な考え方があり、専門家の間でも意見が異なります。
今回は、クリニック継承における評価方法について、売り側・買い側双方が納得できる方法論についてご紹介いたします。
■そもそも譲渡額とは?
クリニックの譲渡額は、①不動産や医療機器などの資産 と、 ②患者を引き継ぐ対価としての営業権 の2つによって構成されています。
①については、評価額が適正に算定されているか、新規購入と比べた費用対効果等が判断基準となりますが、
②については、新規開業では得られない承継開業ならではのメリットになるため、①とは別の評価ロジックになります。
■買い手側はどのように考えているか
これから開業を目指す医師がどのようなことを考えているのか?を考えてみましょう。
開業は非常に大きな資金が必要となる投資行為であり、ほとんどの場合で金融機関からの資金調達が必要となります。
- ・投資した額がどのくらいの期間で回収できるのか?
- ・返済はいつ頃までに完了できそうか?
- ・(勤務医の場合)現在の所得に対してどのくらい収入を増やせるのか?
開業を検討する医師にとって、あらかじめ売上・利益が見込まれる状態でスタートできる、前院長の先の見通しも立てやすいというのは見逃せないメリットとなります。
■クリニックを引き継いだ場合に得られるリターンを明示する
これらのことから考えると、②の営業権の部分については、現在どのくらいの売上や利益がでているのか?等の決算ベースで考えていくのがもっとも納得性が高いアプローチとなります。/p>
実際一般企業を対象とするM&A仲介会社が「年買法」「純資産評価」といった評価方法をとることが多いのに対し、クリニックの事情に精通した仲介会社の場合は、「売上高の2~3か月分」などの金額をベースにすることが多いようです。
しかしながら、売上ベースでは経費が考慮されておらず、収益という観点では不十分な指標と言えます。
精査する手間はかかりますが、実質的な利益はいくらなのか?買い手側の大部分が勤務医であることを考えれば、現在の年収と比較がしやすい、実質利益ベースで譲渡額を決めていくのが望ましいと考えられます
クリニックを譲渡する側としても、これまで積み重ねてきた実績がストレートに評価される、というのは納得性が高いものではないでしょうか?
■譲渡額の診断は無料で承っております
いかがでしたでしょうか?今回は譲渡額の決め方について詳しくご紹介しましたが、これらのロジックを買い手側にわかりやすく客観性をもって伝えられるかどうか?という点も、継承を考えるうえでは重要となります
弊社では、クリニックを継承すべきかどうか?仮に譲渡するとした場合、どのくらいの評価額となるのか?などが分かる、「クリニック継承診断サービス」をご用意しております。
診断は無料で承っておりますので、是非ご活用いただければ幸いです。