第三者継承に適した専門家(仲介業者)、3つの条件とは?
第三者へのクリニック譲渡を考えるにあたっては、専門家(仲介業者)に相談することが多いかと存じます。
専門家に相談するメリットについては、過去のメルマガでも<交渉編><募集編><リスクヘッジ編>としてさまざまな観点からご説明させていただきました。
こういった点を踏まえ、今回は、第三者継承を成功に導くための専門家(仲介業者)選びの留意点をご紹介いたします。
■医院継承(クリニックM&A)には、医業特有の事情への精通が必須
クリニックの第三者継承は、クリニックM&Aともいわれますが、
一般企業のM&Aとは異なる専門知識が必要となり、また医業特有の事情に精通しているかどうかによって、継承成立の成功率やトラブル発生のリスクは大きく変動します。
ここでは以下3つのポイントに絞って仲介業者の選び方をご紹介します。
①明確な根拠を持って譲渡額を提示できるか
過去、何度か譲渡額に関する記事でも取り上げていますが、一般企業M&Aの多くで用いられる譲渡評価額(純資産価額方式)の算出方法は、クリニック継承においてはなじみません。
妥当性のある譲渡額の算出には、
・そのクリニックがどのくらいの安定的な患者数を維持できているか?
・引継ぎ後の経営をどのように伸展させていけるのか?
この2つの観点が必要です。
これらの観点を持ち合わせていなければ、的外れな譲渡額を設定してまい、機会損失となるリスクを高めますし、また、買い手に対し案件を説明する際の説得力・納得性も弱くなってしまいます。
➁後継者募集のノウハウや医師のネットワークを持っているか
妥当な譲渡額を設定できても、買い手を見つけるためのネットワークや、募集ノウハウを有していなければ後継者探しが難航することは想像に難くありません。
特に主な買い手候補となる勤務医の先生へのアプローチ手段を持っている会社はM&A業界でもごく一部に限定されます。
仲介会社の担当者からサービス案内などを伺う際には、どういった方法で募集をかけていくのか?また募集を掛けられる見込みの数(勤務医・開業医それぞれ何名にアプローチ可能か?)を聞いておきましょう。
③会計・人事・税務などのノウハウがあるか
引き継いだ後もクリニックをきちんと運営されているかどうか?は、これまで院長として地域医療を支えてきた立場から心配されるのは自然なことです。
本来売り手側には必ずしも必要ではありませんが、買い手の候補者が、税務・会計(会計事務所)、人事・労務(社労士事務所)などの専門分野に強いブレーンを持ち、クリニック経営に関わるノウハウを有するかどうかも大切になります。
また、専門性を持つ3~4社と提携し実務を任せ、募集のみ行っているという形態の仲介会社も時節見受けられますが、その場合、担当者が複数人介在することになります。
関係者が増えれば意思疎通にも時間がかかり、スムーズに進めることは難しくなりますし、情報漏洩のリスクも高まってしまいます。
■情報漏洩リスクにも気を配りながら業者を選定する
いかがでしたでしょうか?
今回は、第三者継承に適した専門家(仲介業者)の条件をポイントに絞ってご紹介いたしまいた。
クリニック継承を支援する仲介会社は昨今増加してきており、どの会社に相談しようか、迷われることも多いかと思います。
成功報酬制の会社も増えている為、多くの業者へ依頼したほうが早く見つかる可能性が高まる、という考え方もございますが、
留意しておいていただきたいのが、相談先が増えるほど、情報漏洩のリスクも高まる、ということです。
そのため、今回ご紹介したポイントもご参考にいただきながら、1~2社程度に相談先を絞るということも重要です。
ご相談をいただきお話を伺っていく中で、どのように進めていくのが一番良いのか、考えが整理されていく場合も往々にしてございます。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にご相談をいただければ幸いです。