クリニック継承は結婚・婚活と似ている?
クリニックの第三者継承は、しばしば結婚や婚活に例えられます。
考えてみれば、後継者探しや、双方が顔を合わせるトップ会談は、それぞれが希望する条件を出して相手を探す「婚活」に近いものがありますし、
意向表明は「婚約」、基本合意契約は「結納」、最終譲渡契約は「婚姻」という具合に、進め方にも似通った部分があります。
今回は、少し視点を変えて第三者継承をうまく進めるポイントについて考察していきましょう。
◆後継者探しや婚活もうまくいく為の条件は似ている
第三者継承であれ結婚であれ、目的を実現させるためには、
①希望条件を具体的にする
②期限を決める
③双方が歩み寄る
という3点が大切です。
主に買い手側の先生に多くみられますが、「何年後に開業を予定していますか?」という質問に対し、「良い案件が見つかり次第」と回答される場合があります。
これは婚活に置き換えれば「良い相手が見つかったら結婚したい」と言っているのと同じであり、当然いつまでたっても決められなかったり、見つからないケースが多いです。
また、売り手側の先生も、ある程度引退期限を決めておき、いついつまでに手が挙がってこなかったら少し条件を緩和する、なども必要に応じて行っていくことが望ましいでしょう。
また、③についてですが、継承における破談理由の中でも多いのが、「診療方針の相違」や「買い手からの要求が多すぎて断念」というものです。
これらは、例えるならば口うるさく小言を言う姑のようなものと言えます。
日進月歩の医学で、20年以上クリニックで地域医療に携わってきた先生と、病院勤務での最新の知見に触れてきた先生とでは、治療方針にある程度の相違が生じるのは避けられません。
しかし、診療行為以前に、患者さんを引き継ぐのが事業承継の主目的であり、双方が享受するメリットです。
患者さん本位で考えれば、診療に慣れているという意味で、買い手側は基本的に前院長の診療方針を踏襲するべきですし、
承継した以後は、新院長にお任せし、前院長は口を挟まないという歩み寄りの姿勢が大切になります。
◆婚活とは異なり「将来性」を重視するケースも
婚活であれば、例えば、収入が少ない方はお相手が見つかりづらい側面があることは事実ですが、クリニック継承においては、必ずしもそうとは言えません。
それは、買い手側が案件を検討する際に見るポイントは「将来性」でもあるからです。
つまり、単にそのクリニックの決算情報を見て、売上・利益が少ない場合でも、診療時間を縮小している、閉院を既にアナウンスしている等、理由が明確な場合があります。
買い手側にとっては、引継ぎ後に診療日数を増やしたり、承継したことを大々的にアナウンスするなど対策を講じれば、
低迷していた売上/利益を伸ばせる見込み(=伸びしろ)が十分あります。
つまり、このように原因が明確な場合、買い手にとっては「伸びしろがあり、譲渡額がリーズナブル」な案件として映ります。
いずれにせよ、これらの引き継ぐメリットを根拠をもって説明ができるコンサルタントの協力は必要不可欠となります。
◆個別相談やセミナーは無料でご利用いただけます
いかがでしたでしょうか?今回はこれまでお送りしてきたテーマとは少し視点を変えて継承について考えてみました。
最後に最も重要な点ですが、継承も婚活も、「まずは一歩を踏み出さなければ始まらない」ということです。
まずはセミナーに参加してみる、診断サービスや個別相談を利用してみる、など、先生のご事情に合わせてご活用いただければ幸いです。