かかりつけ医を引き継げる、承継開業のメリット
◆厚労省も医師会もかかりつけ医を推奨
ご存じの先生も多くいらっしゃると思いますが、高齢化社会に突入した日本の医療需要の増加に対応するため、厚労省は2018年4月の診療報酬改定で、かかりつけ医制度に関する診療報酬を盛り込んでいます。 日本医師会もこの動きに呼応し、かかりつけ医制度の普及に力を入れています。
厚労省が平成30年に実施した、かかりつけ医に関する意識調査(図)によると、全年齢層の約83%の患者がかかりつけ医を決めており、年齢が高い患者ほどその割合は大きくなっています(75歳以上は約97%、が15~39歳は約56%がかかりつけを決めていると回答)。
※出典:平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査 かかりつけ医に関する意識調査(患者票)日本の「かかりつけ医」は海外のGP(家庭医、総合診療医)のように制度として定着されたものではなく、現状では推進の意見が出されているだけですが、多くの患者に浸透していることが窺い知れます。
◆患者は特別な理由がないかぎり、普段通っているクリニックを変更しない
このように、日本ではかかりつけ医を推奨する動きは数年前から起こってきていますが、制度的にはまだ確立されたものではなく、かかりつけ医を持つことは、現状では任意です。
しかし、現実的にはかかりつけ医を持つ患者は相当数存在し、特に高齢者ではその割合は大きくなっています。
このような患者は、特別な理由がない限り、普段のかかりつけ医を変更しません。
このような「かかりつけ医」制度の浸透という背景を鑑みても、承継開業による患者の引継ぎは、有効であると考えられます。
一方、患者さんとの長年の信頼関係が築かれている前院長の診療スタイルから大幅に診療方針を変更する、ということは患者引継ぎという観点から一定期間は避けたほうがよい、ということがいえます。
◆新規開業と承継開業は平行して検討するのが吉
全国的に見れば開業医の数自体は飽和状態にあり、開業向けの物件自体、中々見つからない、という話は珍しくありません。都市部エリアでは特にその傾向が顕著です。 開業をお考えの先生は、新規開業と比べてさまざまなメリットのある「承継開業」も選択肢の1つとしてお考え下さい。
弊社と提携し、クリニックの開業・経営をサポートさせていただく日本医業総研は、グループ内に税理士法人や社労士法人を有するクリニック経営に特化したコンサルティングファームです。
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