クリニックの第三者継承を成功させるためのアドバイザー選びのポイント【前編】
今回は「クリニックの第三者継承を成功させるためのアドバイザー選びのポイント」についてご紹介いたします。
昨今、年間に2,000件以上ものクリニックが閉院していると伝えられておりますが、その理由の多くは、院長の高齢化と後継者不在によるものとされ、それとともに第三者継承の認知度も高まりつつあります。
同時にM&Aを行う会社も増加してまいりました。
クリニック継承について考え始めたのはいいものの、「どこに相談すればいいのか…」と、
悩まれる先生も多いことでしょう。
今回お送りする【前編】では、クリニックの第三者継承(クリニックM&A)をサポートする会社には、一体どのような種類や役割があるのか、またそれぞれの特徴について詳しく解説してまいります。
◆第三者継承(M&A)専門会社
まず一般的なのは、弊社のように第三者継承(M&A)を専門とする会社です。
これらの会社の中には、主に譲渡側と譲受側の両方の間に立ち、第三者継承をまとめる「仲介業務」と、譲渡側と譲受側のどちらか一方の代理人として相手と交渉を行う「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)業務」の二つがあります。
ここで仲介とFAの違いを簡単に説明いたします。
仲介は、譲渡側・譲受側の間に立つため、双方の意向を確認しながら話を進めることになります。
譲渡契約が無事に成約するとその両者から報酬が支払われます。
ある意味では“双方代理”なので、中立的な立場で落とし所を探ることができ、第三者継承が成立しやすく、スピードも比較的早いのが特徴です。
一方、FAは譲渡側か譲受側、どちらか一方の代理となり、自分が代理する側の利益を最大化することに注力して動くこととなります。
互いの立場で交渉を行うため、時間がかかるというのがネックになると考えられます。
一般的には、上場企業やそれに準ずる大規模な会社のM&Aの場合はFAがよく使われますが、クリニックの第三者継承の場合は、前提として個人間での譲渡となること、さらには「地域医療を引き継ぐ」という社会的意義のある譲渡契約であることなどから「仲介」を選ぶのが適当であるといえるでしょう。
◆経営コンサルティング、金融機関、会計事務所などが継承支援を行っている場合も
次に、経営コンサルティング、金融機関、会計事務所などのサービスの一環としてクリニックの第三者継承を行っている場合もあります。
経営に関する課題解決力や財務などの得意分野があることは強みですが、医療業界のM&Aは、その専門性が重要視されます。
医療業界のM&Aをメインとしていないこれらの会社では、「対応できない」と断られてしまうケースや、時間がかかりすぎるなどの懸念があります。
◆情報ブローカーって何者!?
さらに最近増えてきているのが、個人でモノや情報を右から左にして商売を行っている「情報ブローカー」と呼ばれる存在です。
ブローカーは、「どこどこのクリニックが譲渡を考えている」、「だれだれが譲受を望んでいる」などの話を集めてきて、それぞれをマッチングさせることで紹介料を得ています。
医療関連企業の元営業マンであったり、病院の元職員、或いは士業の方が副業としていることが多いとされ、医療業界ではこの手のブローカーが増えているように見受けられます。
そういう人たちがすべて悪いと一概には言えませんが、医療業界は狭い世界ですので、情報が洩れて広がってしまいスタッフや患者様などに余計な心配をかけてしまうなど、準備の段階から様々なトラブルが発生してします可能性が考えられます。
◆医療業界のM&Aは第三者継承(M&A)専門会社に相談するのが妥当
そういった意味では、専門性が高く幅広いケースに対応しなくてはならない医療業界のM&Aは第三者継承(M&A)専門会社に相談するのが妥当かと考えられます。
さらには仲介業務をメインとしている会社がクリニック継承には好ましいといえるでしょう。
今回は、「クリニックの第三者継承を成功させるためのアドバイザー選びのポイント」の中でも、クリニックの第三者継承(クリニックM&A)をサポートする会社の種類やそれぞぞれの役割、メリット・デメリットなどについてご紹介いたしました。
後編では、様々な第三者継承(M&A)の専門会社がある中で、一体どのようなポイントを考慮して会社を選べばいいのかということに注目して解説してまいります。
◆ご勇退・継承の準備は専門家へのご相談を◆
前に述べた通り、“クリニックの第三者継承をどこに任せるのか”ということは、
良いスタートを切るために、とても重要なことです。
「安く済ませようと考えたことで、痛い目にあった…」
「噂が先に広まってしまい、スタッフや患者が離れてしまった…」 など
私共へご相談いただく中にも、既にトラブルの渦中にあり、悩まれておられる先生もいらっしゃいます。
弊社では、約半世紀を通じ全国26万人の医師ネットワークを活用し、クリニックの後継者問題に悩まれる先生を対象に継承支援サービスを提供してまいりました。
既に他社にご相談されている場合や、閉院をご検討中の先生もセカンドオピニオンとして是非弊社の無料診断サービスをご活用ください。