親族間継承、その見極めとは?

昨今、クリニックの院長先生をはじめとする開業医の高齢化や、後継者不足問題がクローズアップされておりますが、
弊社でも、閉院や第三者継承など、ご引退に関するご相談をいただく機会が増えてまいりました。

今回は「親族間継承、その見極めとは?」についてご紹介いたします。

長らくクリニックを運営されてきた院長先生、理事長先生の中には、年齢によるご不安や体調を崩されたりなど、引退を真剣に検討される方もいらっしゃると思います。

しかしながら、ご子息・ご息女様など、ご親族の方に後継者候補はいるものの、「具体的にクリニックの継承については話し合ったことがない…」という先生も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、親族間での継承を検討する場合の見極めポイントや、その他の選択肢を考える必要性について解説してまいります。

◆親族内後継者を見極め、予め話し合っておくことの大切さ

ご子息・ご息女様が医師の場合、自身のクリニックを子供に引き継いでもらいたい、とお考えの先生は多くいらっしゃると思います。

勤務医と開業医では、その立場や責任、必要となる能力は大きく異なります。
親族間継承を考える場合、できるだけ移行期間を長めにとることが成功のカギとなります。
可能な限り、早期に後継者候補となられるご親族の方へ継承についての考え方を聞き、経営者としての意識を醸成しておくことが重要といえるでしょう。

親族間継承を進めるべきか見極めるポイント

*見極めポイント例
・素質(経営者としての意識や才覚)があるか
・(開業する、地域医療を支えていく)意思があるか
・専門科目やキャリア志向に食い違いがないか

前述のとおり、開業医とは、切り替えるものではなく、成っていくものです。
しかし、後継者候補が考える診療方針が地域の医療ニーズからかけ離れていたり、患者様や従業員とのコミュニケーションが難しい、経営計数に弱いなど、経営者としての意識や才覚に著しく欠ける場合は、継承後の経営が難しくなるなどのトラブルが想定されます。
また、専門科目や、キャリア志向(研究職を続けたい、勤務医としての働き方が合っている)が異なる場合もあります。

また、後継者候補が複数名いらっしゃる場合でも、だれが適任かを判断し、早いうちに継承の方向性・考え方について話し合うことも大切です。

◆親族内継承が難しいと判断した場合

開業医の約8割は親族間継承を断念しているという現実
ご親族の方にクリニックを引き継ぐ意志があり、その素質も備わっていて、診療方針や考え方が地域医療のニーズにマッチしている場合は、親族間継承を進めていくことになります。
しかし、実際にそのような形で順調に進むケースは全体の約2割程度というデータもあり、なかなか難しいというのが実情といえるでしょう。

親族間継承が難しいと判断した場合は、閉院もしくは、第三者への継承を模索するこになります。

検討が遅れた場合のリスク
第三者継承という方法が広がってきた現在では、買い手側のニーズ(新規開業と承継開業を平行して検討する)もあり、早めに後継者探しを開始すればよい候補者と出会える可能性も高まります。

逆に検討が遅れた場合、なかなか継承先が見つからず、閉院となってしまうとこで、患者様がかかりつけ医を失ってしまったり、
万が一、ご自身が体調の悪化等で入院ともなれば、ご家族に迷惑がかかってしまうという事態も考えられます。

このような事態を避けるためには、
なるべく早く、引き継ぐ意思があるのかその適正を見極め
難しい場合は第三者継承を平行して検討しておく
という、2段構えで備えておく姿勢が肝要だと言えるでしょう。

◆引退に備えたご相談や、継承診断は無料で承ります。

ご子息・ご息女様などのご親族が医師でいらっしゃる場合でも、必ずしも親族内継承が約束されているわけではなく、早めに引き継ぐ意思があるかどうかの見極めが重要となります。
弊社では、引退(閉院準備、第三者継承)に関するご相談や、第三者継承を検討すべきかどうかを診断する『継承診断』を承っております。
どちらも無料で承っておりますので、ぜひご活用ください。