引退について備え始める目安とは
前々回は親子間継承の見極め、前回は第三者継承の見極めについてそれぞれポイントを解説してまいりました。
今回は、それらを踏まえたうえで、「引退に向けて準え始める目安」についてお伝えしていきたいと思います。
◆何歳を目途に引退準備を始めたらいい?
日々ご開業されている先生からのご相談にお応えしていく中でよく聞かれる質問として
「何歳くらいからみなさん準備されているんでしょうか?」という、準備を始めるタイミングについてご相談をされることがございます。
実際、具体的な第三者継承についてのご相談は、60歳を超えられたタイミングで徐々に増え始め、60歳後半~70歳前半の先生が多いのですが、実は、この年齢を基準とした目安はあまり適切とは言えないと弊社では考えております。
◆判断基準にすべきはクリニックの状態
年齢を目安にすべきではないその最たる理由は、クリニックの状態はエリアや立地、
診療科目、運営形態など個々のケースごとに大きく異なるためです。
例えば、
先生A:80歳を目前にし、体力面の問題から診療日数を減らしたいが、患者さんのことを考えると減らすことができず、困っている。
先生B:60歳でまだまだこれからと考えているが、周辺に競合ができてしまい収益が減少していってしまっている、しかし年齢を考えると事業拡大は難しい。 など…
ご相談いただく先生の背景は十人十色で、それぞれ違ったご事情を抱えておられます。
このような背景を鑑みれば、安易にその年齢を超えたら準備をし始めましょう、
というよりも、将来的な展望を見据えたうえで計画的に動かれるのがよいと言えます。
■後継者が見つかるかどうか、その分かれ目とは
承継開業という方法は認知が広まりつつあるものの、これから開業を目指される先生の選択肢は、「継承開業」だけではなく、「新規開業」と同時並行で考えられてるケースがほとんどです。
つまり、準備を始めるための判断基準も、クリニックが引き継ぐ後継者にとって魅力があるかどうか?という観点で判断していくのがベターといえます。
上記は弊社セミナーでもご紹介している継承チェックリストになります。
まったくチェックがつかないからといって継承の可能性が0というわけではありませんが、チェックが少なければ少ないほど、後継者探しの難易度が高い=余裕をもって準備しはじめた方がいいという目安になります。 是非合わせてご参考にしていただければ幸いです。
◆準備をし始めるタイミングや、譲渡額などを無料で診断いたします。
いかがでしたでしょうか?
弊社では、無料でご活用いただける、個別相談を随時承っている他、今回ご紹介したような、引退準備を始める目安等がわかる、継承診断サービスを行っております。
準備を始めるタイミングや、仮に継承した場合の譲渡対価などの診断や、閉院する場合の費用のシミュレーションなど、先生方の今後の意思決定にお役立ていただけるサービスとなっておりますので、ぜひご活用いただければ幸いです。