後継者探しを始める前のチェックポイント
今回は、「後継者探しを始める前のチェックポイント」と題し、第三者継承において後継者探しを始める前に確認しておきたい5つの項目について解説します。
*ポイント① 継承までの期間に余裕があるかどうか
継承までの期間に余裕があれば、クリニックの譲渡は比較的しやすくなります。
クリニックを引き継ぐ先生のほとんどは他の医療機関での勤務医です。
医局との関係や、開業後の有力な連携先ともなる勤務先との良好な関係を保つためには、後任医師の目途がつくなど、辞め方にも道義的な配慮が必要ですし、譲受するかどうかをじっくりと検討する時間も必要です。
継承までに残された時間が短ければ短いほど譲受側の意思決定が難しくなったり、そもそも後継者候補が少なくなる(=継承の難易度が高くなる)などが懸念されます。
第三者継承の成功は、余裕をもった計画が重要といえるでしょう。
*ポイント② 買い手側の引き継ぎやすさにも気を配る
クリニック継承において、引き継ぐ建物やテナントの状態も後継者探しの難易度に影響してきます。
「なるべくきれいな状態のクリニックを引き継ぎたい」と考えるのは自然なことであり、補修や補強、改装を小まめに行っており、比較的綺麗な状態の建物やバリアフリーに対応している建物などは後継者候補が集まりやすく人気の案件となります。
また、地方にあるクリニックのほとんどは自己所有の建物であるケースが多く見られますが、“引き継ぎやすさ”という観点で考えると、不動産部分の購入以外に、賃貸での承継も相談可とすることで、初期投資をなるべく抑えることで更に魅力的な条件に映ります。
*ポイント③ クリニックの経営が好調かどうか
クリニックの経営が好調で評判が良いことは、クリニックを継承する上で最も重要なポイントです。
後継者候補の先生にとって一番のメリットは、既存の患者様を引き継げることですから、患者様が少ないクリニックを引き継ぐとなればメリットが少なくなってしまいます。
引退に備えて診察時間や曜日を縮小し、患者数をセーブしているケースがしばしば見受けられますが、過去にそのクリニックがどれだけ盛況していたとしても、現状の患者数から考えると継承する魅力が下がってしまいます。
クリニック継承を検討する際は、診療を縮小したり患者数が減少し始める前が一番の売り時なのです。
*ポイント④ 親族間の意思が固まっているか
譲渡側の親族間でクリニック継承に対する考えがまとまっていない場合、後継者候補の方からすると「本当に譲ってもらえるのか」、「後から条件が変わったりしないか」と心配になります。
例えば、ご子息・ご息女などの身内に医師がいる場合、クリニックを継承する気がないことを確認し、その旨をきちんと後継者候補の方に伝えておくことで、双方が安心して継承を進められるのではないでしょうか。
*ポイント⑤ 引き継いだらスパッと離れる
院長が長年苦労して築き上げてこられたクリニックですから、後継者となられる先生にはしっかり引き継いでほしいと思うのは当然です。
後継者の先生が希望されるのであれば、引継ぎ業務には柔軟に対応し、できる限りの支援をしたいものですが、その思いの強さ故に「譲渡した後もしばらくは様子を見に行かせて欲しい」などの要望があると、どうしても上手くいきません。
これは親子間継承の場合にも言えることです。
クリニックの継承においては、「干渉せずに任せるべきところは任せる」のが良好な関係を築くコツです。
“必要な引き継ぎは短期間できっちり済ませ、引き継いだらスパッと離れる”という気持ちが、何よりも大切なことなのかもしれません。
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いかがでしたでしょうか。
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