クリニック継承でよく聞く“ネームクリア”って?

本記事をお読みいただいている先生の中にも、クリニックの継承についてご自身で情報収集を行われたり、実際に仲介会社にご相談をされた経験がある方でしたら一度は「ネームクリア」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今回は​「クリニック継承でよく聞く“ネームクリア”って?」と題しまして、ネームクリアの必要性や、実際にどのような手順で進められていくのかを詳しく解説してまいります。

◆ネームクリアってどのように行われるの?

ネームクリアは、継承候補者の方にクリニック名などの固有情報を開示することを言います。
このネームクリアには、コンサルタントの判断だけではなく、クリニック院長の同意も必要となります。

まず、クリニックの情報はクリニック名が特定されないように「ノンネーム(※)」の状態で仲介会社のサイトなどに公開され、募集が始まります。
(※)譲渡対象となるクリック名等を明かさない匿名ベースで、その概要を簡単に要約したもの。

それらの情報を基に、その候補者に対してクリニックの情報を開示しても良いかをご判断いただき、コンサルタントは、了承が得られた場合に限り情報開示(ネームクリア)を行います。

候補者の方は、ネームクリアを経て、初めてクリニックの住所や事業収支などの詳細な情報を知ることができ、ここから本格的な検討を開始されるのです。
そのため、ネームクリアを受けた候補者からは必ずしも前向きな返答があるとは限りません。
ネームクリアの段階で、「今回の案件は見送る」という判断も大いにあり得ます。

ここまでの流れを簡単にまとめると、候補者探しをスタート⇒候補者からの問い合わせ⇒候補者の情報を知る⇒候補者について検討・判断⇒ネームクリアの可否を判断⇒ネームクリアとなります。

◆ネームクリアがなぜ重要なのか?

クリニックの継承は、不動産の譲渡などとは事情が異なり、後継者を探していること(=院長が引退すること)が事前に患者様やスタッフの耳に入ってしまうと不必要に不安を煽ってしまったり患者様が離散してしまったりと様々な予期せぬトラブルが想定されます。

このようなトラブルを防ぐためにも、クリニック名は秘密情報として厳重に扱う必要があるのです。
前述のようなトラブル防止以外にもネームクリアを行う理由は2つあります。

①候補者を選択するため
どの候補者にネームクリアを行うかの判断には、責任が伴います。
候補者の中には、条件に合わない方がおられる可能性もあります。
はたまた、知り合いの医師であったり、近くに勤務している医師である場合もあります。
このような理由から、ネームクリアを行うかの判断には、院長自らがしっかりと候補者の選択を行うことが重要となるのです。

②候補者の重複
クリニック継承について複数のコンサルタントにご相談される院長も少なくないと思います。
このような場合、同時に同じ候補者の方を紹介されるケースもあります。
しっかりと手順に沿ってネームクリアを行わないと、複数のコンサルタントを介して候補者がバッティングする可能性があり、交渉が順調に進まないだけでなく、意図せずコンサルタントとの業務委託契約に抵触してしまう場合もあります。

ネームクリアの手順を正しく踏むことで、候補者の情報をネームクリア前に知ることができ、候補者の重複を事前に防ぐことができるのです。
候補者が重複していた場合は、先に紹介を受けたコンサルタントを介して候補者との交渉を進めていくことが原則となります。

◆個別相談はご活用されていますか?

いかがでしたでしょうか。
弊社では、継承専任コンサルタントが、先生の現在のお悩みやご引退に際してのご意向などを、具体的にお伺いさせていただく個別相談を承っております。

「うちの医院があるエリアでは、同じ診療科を診られるクリニックが他に無く、万が一のことがあったら患者さんの受け入れ先を探せない」
「分院長を任せていた先生が近々退職してしまう。新たに院長候補を紹介してほしい。見つからなければ第三者継承や閉院も考えている」
「開業したものの患者さんが殺到し疲弊してしまった、クリニックは誰かに譲り勤務医に戻りたい」
など、それぞれのご事情によりご相談内容はさまざまです。

ご相談の形も、電話やオンライン面談(zoomを使用します)の他、直接お会いしてのご相談(日本国内であれば場所は問いません)など、先生のご要望に合わせた最適な形を取らせていただいております。

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