クリニック継承におけるTo Do≪スタッフ編≫
継承についてご相談いただく先生の多くが、「スタッフに対して私がやるべきことはなんですか?どのように説明すればいいのでしょうか?」というように、自身のクリニックで一緒に働いているスタッフの今後について大変心配されているのが印象的です。
今回は「クリニック継承におけるTo Do≪スタッフ編≫」と題しまして、クリニックの継承が決まった後に行うべき、スタッフの方々への説明や対応について解説致します。
◆スタッフにクリニック継承について知らせるタイミング
まずは、スタッフに継承についてお知らせするベストなタイミングについてですが、実際のところ、クリニックが継承されるということについては、譲渡完了前の段階から既になんとなくスタッフの方々に伝わっていることが多いようです。
院長先生から直接お話を聞くまでは、「今後の自分の雇用がどうなるのか?」、「処遇がどのように変わるのか?」など、継承後の自身の雇用について不安に思われていることでしょう。
クリニックを継承する際、個人立のクリニックの場合は譲渡(廃止)の時点でスタッフは一旦解雇という扱いになり、開始とともに改めて採用する流れとなります。
一方、医療法人を継承する場合は、登記上理事の交代となり、法人とスタッフの雇用契約はそのまま維持されることが原則です。
弊社がご支援する際には、円滑な切り替えを実現するためにも、譲渡契約が成立した時点で、なるべく早い時期にきちんとスタッフ全員に同じタイミングで継承についての説明日を設けることをオススメしております。
◆スタッフとの面談
スタッフ全員に継承について説明した後には、なるべく早い段階で、後継者となられる先生の今後の方針を踏まえ「承継日に向けた具体的なスケジュール」、「後継者の先生の紹介」、「今後の雇用についての面談」など、スタッフ一人一人にしっかりと情報共有を進めておくことも重要となります。
昨今においては、医療従事者の人材不足が深刻になり、クリニックにおいても新規採用が難航するケースが見受けられます。
承継開業では、このような昨今の背景に加え、開業後スムーズに診療が行えることから既存のスタッフを承継開業後もそのまま継続雇用することが多いようです。
ただし、スタッフを引き継ぐ場合の雇用契約においては、後継者の先生がスタッフに求めるスキル・意欲・勤務体制などの「理想像」と、既存スタッフの就業意思がしっかりと合致するかどうか、事前に確認しておく必要があります。
また、長年の勤務で給与が高騰しているケースも想定した、事業計画の立案も不可欠となります。
そういった意味も含めて、なるべく早いタイミングで面談を実施された方が良いと言えるでしょう。
可能であれば、譲渡契約が成立し、後継者の先生とスタッフの方が初めて顔合わせをされる前に、院長先生自らが先に「今後の就業についてどのように考えているのか」「どのようなことに不安を抱いているのか」などをヒアリングしておくことで、承継後の雇用に関するトラブルや不満を回避できます。
こちらに関しては弊社のように継承をご支援するコンサルタントなどが間に入ることもできます。
これまでの経験としてスタッフの関心が高い事柄として想定されるのは、主に「承継後の運営方針や診療体制」、「雇用形態・給与条件」などについての相談をよく耳にしますが、雇用関連法律は労働者保護に立脚して適用されることに十分な留意が必要です。
面談時に、スタッフからの様々な質問に対し、誠意ある回答ができるよう、事前に院長と後継者の双方でしっかりと準備しておくことをお薦め致します。
◆クリニック継承・閉院に関するご相談を承っております
いかがでしたでしょうか。
優秀なスタッフが継承後も継続勤務してくれるかどうかは、実はクリニック継承にとって大変重要なことなのです。
クリニックの財産は土地や建物、診療による売上だけではなく、「人財」という言葉が表す通り、長年に渡り院長と共にクリニックを支えてこられたスタッフの存在こそが大きな財産なのです。
ですので、診療圏内の地域性や患者様について熟知している既存のスタッフをそのまま引き継ぐことで、より完全な形での『継承』が実現するのではないでしょうか。
弊社は株式会社日本医業総研と協業し、これまで600件以上のクリニックの継承や開業をご支援してきた実績がございます。
オンラインでの個別相談も無料で承っておりますので、是非お気軽にご相談ください。